化学調味料無使用に騙されている
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「化学調味料無使用」という表記
ラーメンブームが起きている2000年頃から、ラーメン専門店ではうま味調味料を使わないことを「無化調(むかちょう)」と呼び、「化学調味料」を使っていないことを宣伝材料のひとつとして扱っている。 調味料や他の食品にも「化学調味料無使用(無添加)」といった語が使われる傾向が見られる。日本うま味調味料協会や日本食品添加物協会は、これらの語は無使用の商品の方が健康上優れているようなイメージを消費者に与えかねない、という見解を示している[4]が、これは企業の製品の価値を下げないために主張しているとも考えられ、どの意見が正しいと一概には言い切れない。
また、「化学調味料無使用」という表記は、単に「うま味調味料」を使用しなければ標榜できるため、実際にはタンパク加水分解物や酵母エキスのような他の食品が代用されている場合がある。これらには原料を塩酸で加水分解反応を起こしたものが含まれ[8] [9]、かえって「化学的」な食品を摂取してしまう可能性がある。特に、アミノ酸類に目立った毒性が発見されていないのに対し、ある種のタンパク加水分解物には微量ではあるが発癌性物質と疑われているクロロプロパノール類を含むことが分かっており、「化学調味料無使用」すなわち安全であるとは限らない。また、大量に使うと味のバランスが崩れるのは他の調味料と同じであるため食材本来の自然なうま味を大切にしているかどうかといったことの判断材料にはならない。なおこれらは「食品」であると見なされているため、「無添加」表示の食品についても同様の問題を抱えている。