バジル種とココナツミルクの菓子
http://d.hatena.ne.jp/kawauso999/20070305の回答です。
11年前、タイ南部の町で食べたデザートに、何やらブツブツニュルニュルツブツブしたものが入っていた。
店のおばさんに英語でこれ何?と聞いても返事無し。魚の卵?と聞くと首を縦に振った。
このおばさんは英語を理解していないんだろうけれど、フィッシュとエッグはわかったのかもしれない、と解釈した僕は、魚の卵がデザートに入っていた(疑い20%)、と記憶し続けた。
7年前、帰国してハーブ栽培を始めて、発芽を心待ちにプランターを毎朝眺めていると、記憶が甦った。
あ、あの時のデザートはこれだったんだ!
蒔いたバジルの種が水を吸って、中央にはゴマ粒状の黒い種、その周囲にはゲル状のブニョブニョ。まるで蛙の卵のよう。
6年前、タイ人とひと月ほど過ごす機会があった。彼とその恋人(日本人、タイ滞在歴長い)と僕との3人で会話した時に、彼らは僕のバジル種説を強く否定した。タイ人とタイ歴の長い人が言うのだからそうなのだろう(疑い20%)と納得することにした。
昨年、輸入食材店でバジルシードが売られているのをみつけた。
やはり僕のバジル種説で正しかったのでは?、早速試してみよう、と喜び勇んで買った。
でも、ずっと家の中で行方不明だった。
先日、食材カゴを整理していたら出てきた。
皿に入れて水をかけるとグングン水を吸っていく。
紆余曲折を経てやっと11年来の疑問が解けた。
アンコとアロエベラとバジルシードにココナツミルクをかけて食べた。
子供達はアンコをココナツミルクに溶かして食べていた。
夏にはミントの葉やカキ氷なども入れたい。
追記1
タイ人がバジル種を知らなかったのは、きっと住む地域のせいだろう。
このデザートはたぶん南部のもので、彼はチェンマイ出身。
北海道人が「酒盗」を知らなくて、四国人が「鮭冬場」を知らないようなものだろう。
追記2
実は僕は、植物の種を食べることに少なからぬ抵抗を感じます。
種は食べずに蒔いてあげたい。
どの種にも平等に、発芽する機会を得る権利があるような気がするのです。
そんなわけで、今回購入したバジルの種も全部は食べてしまわずに、少しを外に蒔いてあげようと思うのです。
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