パックチー

kawauso9992007-06-26

なかなか売っていないし、あってもやや高いパックチー。

収穫の季節がやってきた。


園芸店で買うタネは少量で高いので、業務用食材店でスパイスとして売られているタネを撒いた。
一度撒けば種の収穫は容易なので、種を毎年買う必要はない。F1品種ではないだろうし。


収穫物の一部を残して種を採取して、翌年はその種を蒔く。できればこぼれ種に自分で育ってもらうってのが理想。


コリアンダー、シャンツァイ、香菜、コエンドロ、カメムシソウ、Chinese parsley、ダニヤーなどとも呼ばれ、アジア料理によく使われる。行ったことはないのだけれど、中東や中南アメリカでもよく使われるらしい。
古代エジプトの古文書である「エーベルス・パピルス」(紀元前1500年頃」には既にコリアンダーの記述があったという。(http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/13/1316.htm


僕がいままで生きてきた中で最もおいしいと思うのはラオスの田舎で食べた名前もわからない食べもの。英語の通じない野外料理店(外に椅子とテーブルと調理台が置いてある)で、メニューもなく言葉も通じなかったところ、常連客として来ていた中国人が通訳してくれて注文した料理。「ここに住んでいる人々が食べるローカル料理を食べたい」という、僕の拙い中国語を彼がラオス語に翻訳してくれた。
料理の名前は分からないのだけれど、おそらくラープの現地風味だったのだと思う。
植物とそうでないものを何やら混ぜたらしい、といった外観のそれはけっしておいしそうには見えなかったけれど、その味は世界で一番おいしいと言い切れる、と確信するほどにおいしかった。
生の内臓肉の臭みと、それをおいしい味に変身させるコリアンダーの臭みのあの料理、菜食者となった今でも、また食べたいなと思う味のひとつ。
肉を使わずにコリアンダーだけでなんとかならないか検討中。何かを食べられるぎりぎりまで腐らせてコリアンダーを合わせるのがいいかもしれない。トウフヨウとか?
まあ、とにかく世界で一番おいしい料理に欠かせないくらいにコリアンダーはおいしい、と言いたかった。


種子はカレーの香辛料としてよく使うし、葉もまたカレー系の食べものによく合う。葉は加熱しないで仕上げに乗せる。
カメムシのように臭い匂いが嫌いだと言う日本人が少なくないが、この臭みこそ旨みであることに気づいてほしい。カレー料理の味がこの葉を荒く刻んで乗せるだけで、カレー料理の味が飛躍的に良くなる。特にタイカレーに合うと僕は思う。カレー以外にもいろいろな料理をおいしく変身させるのでお試しを。(ex:ラーメン、おかゆ、スープ)
どうしてもこの香りが嫌いな人は、乾燥した葉を試してください。乾燥すると臭くない。


種子はスパイスとしてのほかに、薬用にも使える。
砕いた種子に熱湯を注いで蒸らしたら、消化不良や便秘時のガスに効くらしく、砕いた種子を水で溶いてペーストにしたものをガーゼで患部に当てると、関節痛に効くらしい。
食後に種子を数粒噛むと消化を促進して胃を丈夫にするらしい。
消化促進、防腐、解毒、健胃、整腸、咳止め利尿などの効果があるらしい。