かぼちゃの種

kawauso9992006-12-05

袋に入ったかぼちゃの種を初めて見た時は10歳くらいだったか、ちょっと驚いた。


大人になって業務用食材店にちょくちょく行くようになってから、初めて買って食べてみた。


野菜のかぼちゃの種と、かぼちゃの種として売っている製品は形が違うから、アメリカか中国の、日本とは品種のちがうかぼちゃの、そういう種なのだと思っていた。


昨年、料理して残った、残飯として土に埋められる前のかぼちゃの種を、フライパンで炒ってみた。
種類の違うかぼちゃでも食べることはできるかもしれないと思ったから。
でも、ふにゃっとしていて、ちょっと食べられなかった。


最近、ネットで検索してみた。
https://link.chuden.jp/ecolife/idea/fukusai03.asp に当たった。
炒り方が足りなかっただけで、オーブンを使えばいいんだと知った。


寒くなって、灯油ストーブを使っている。
灯油ストーブはおいしくて楽しい。
焼き海苔はパリっと復活するし、餅はふくらむ。干しイモ、おにぎり、スルメ、魚の骨などなんでもおいしくなる。
大根を細く切って、ストーブの上の高いところに干せば、切干大根になる。
魚の骨は熱をかけて乾燥させるとパリっとするので子供でも安全に食べられる。
よく捨てられる鮭冬場(トバ)の皮だって、ニュルーっと反り返って香ばしくなる。
細くひも状に切って塩した肉を吊るせば、おいしい干し肉がすぐできる。
オリーブオイルに唐辛子とニンニクとみじん切りの玉ネギを混ぜて、ストーブの上においておくと、トローッと溶けて色々な料理をおいしくしてくれる。寝る前に用意して翌晩に使うといい。



そんなわけで、ストーブの上に小さいフライパンを置いて、カボチャの種を入れて放置してみた。

カリッと乾燥した。ヒマワリの種を食べる要領で先端を縦に前歯で割ってから左右2枚に割くと、市販のかぼちゃの種でおなじみのあの黄緑色の種が出てきた。
驚いた。

中から知っているかぼちゃの種がでてきたことに驚いたのではなく、今まで自分がこれを知らなかったことに驚いたのだった。




母にインタビュー
僕「カボチャの種を炒って割ったら食べられるんだけど、知ってたよね?」
母「あたりまえでしょ」
僕「母さんが子供の頃とか昔はよく食べた?」
母「食べた食べた」
僕「なんで自分の子には教えなかったの? この年になって初めて知ったよ。」
母「・・・・」
僕「なんで今までずっと種をごみ箱に捨ててたの?」
母「だって、皮剥いたりめんどくさいしょや」


わかったこと

  • 面倒くさかったらしい。
  • 自分が知っていることは子供に伝えよう、という思いも持っていなかったようだ。
  • 今になって指摘されるとほんの少しだけ後ろめたい様子が、みてとれた。


父にインタビュー
僕「子供の頃、カボチャの種って食べた?」
父「食べたことなかったな。食べられるなんてしらなかったからな」
僕「いつ知ったの?」
父「10年くらい前」

わかったこと

  • 食べる習慣はなかった。
  • 食べられるという考えもなかった。

戦後の貧しい時代にあっても、父は農家の子で食べ物に困らず、母の家も裕福だったのでやはり困っていなかった。近所で一番先にテレビを買ったから皆が家に見にきていた、とか、自分だけ靴下を履いているのが嫌で、学校に着く前に脱いでかばんに隠したとか、そんな話を聞いたことがある。
ひもじい思いをしたことがなく、高度成長の物欲主義にまみれて育ったせいだろう、僕が古くて穴あきの服を着ていると、捨てなさい!と怒るんだから、かぼちゃの種も食わずに捨ててあたりまえだ。
もう少し上の世代か、他の環境で育った人にも聞いてみよう。



かぼちゃのムース ⇒http://d.hatena.ne.jp/kawauso999/20061130



::追記::
ブログ「はぐれベジ ・ 貧乏派」の「「台所から少しでもゴミが減りますように・・」などと迎合したようなタイトルを付け一般受けを狙う。 」を読みましょう。すぐに読みましょう。必ず読みましょう。何度も読みましょう。