余市川 5

http://d.hatena.ne.jp/kawauso999/20090929 のつづき


ウライより下流には、川面を埋め尽くすほどではないけれど、鮭がうようよ。
背びれと尾びれを水面から出して泳ぐもの、鼻と目をやられているのか艇の接近に気付くのが遅れ慌てて、船底にもごもごとぶつかるもの、艇のすぐ横で跳ね上がるもの、ビュビュビュビュビュと大柄な魚体に似合わない速さで体をうねらせながら泳ぎ去るもの、息をするのがやっとでただ鰓だけをゆっくりとパクパクさせているもの、既に死んで川底に白い体を横たえるもの、、

余市市街に近づくと川はもう広く、満潮の向かい風だと少し疲れる。


余市市内では川岸が丸裸にされていた。何の工事だろう?
泥土の流入にはまるで気を配っていないように見えるこの姿に、悪名高いか高くないかは分からないけれど、小樽土現(小樽土木現業所)を思い出した。小樽土現 伐採」「河畔林 有用



雲の隙間から光が。神々しいと感じるのは、テレビや映画で植えつけられたイメージのせいだろうか?



海の手前に橋が2本。併設されている。


海側から順に、「大川橋」、「余市橋」、「田川橋」。
田川橋下流右岸には車も入れられて艇も上げやすいスロープあり。
雨の日は余市橋右岸での上陸がいいかも。橋が屋根になり片付けが楽。車は、道の駅スペースアップルに置けるだろう。道の駅にはトイレもあるのでメンバーに女性がいるならばここがいいかも。
余市川橋左岸には「余市川温泉」がある。温泉で汗を流してから帰宅、というのもいいだろう。

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大川橋と余市橋の中間右岸には排水機があり、その裏には車数台を駐車できるスペースがある。地元の方の迷惑にならないように利用したい。
ここに小さな漁船を係留しているおじいさんの船外機を沈んだ川底から拾ってあげたことがある。誰かのいたずらで落とされたらしい。


大川橋をくぐるともうすぐ海。左岸のモイレ岬には立派な港がある。カヌーは上陸してはいけないとのこと。
船舶の発生させる波や、衝突にも注意。
船舶は右側通行がルール。


上陸はせずに海まで出た。凪いでいる海に艇で浮かぶのは気持ちがいい。
出発地(http://f.hatena.ne.jp/kawauso999/20090922103347)の川幅は3mほどだった。川の流れるのとほぼ同じ速度で流れてこの広い海に出て、今ここに浮かんでいる、ということを頭ではなく体が感じていて、前に進む感覚からゆっくりと上下に揺られる感覚への移行に、三半規管がすこしとまどっているのがわかる。


海から見た余市川河口。
常識的には9月10月の北海道の海で泳ぐのはおかしいが、実はその常識の方がおかしくて、9月10月の体感水温はぬるい。
海底は砂なので泳いでもあまり見るものはないが、広い海のそこも見えぬ深いところに浮かんでいるというそれだけで楽しい。テトラポット群の周囲には魚影もあり、牡蠣やウニがびっしりとついているので、それを見て泳ぐのも楽しい。



また川に戻り、余市橋下で上陸。パラパラと雨が降ってきたので橋の下で着替えた。
濡れた服を絞る時に相方がいれば向こう側を持ってもらって一緒に絞れる。一人のときはパドルのシャフトを利用。又は、木刀を素振りするように濡れ服を振って、水分を飛ばす。水気が飛べばそれだけ軽くなり、帰路もらくできる。
完全に乾くまでゆっくりと待つのもいいが、濡れたまま持ち帰るのなら、防水バッグが今度は濡れ物袋になる。


橋から駅までの道には、「道の駅スペースアップル余市」と「ニッカウイウキー余市蒸留所」がある。
見学していこうと思ったが、17時閉館でぎりぎりだからと入場できなかった。聞いた話ではなかなか楽しいらしい。


駅近くには、札幌人で知らない人はいないだろうというくらいに有名な、かきざき商店がある。1階が魚屋で2階が食堂。
僕は魚を食べないので用はないが、魚を食べる人はここで食事をして帰るのもいいだろう。東京から来た人なんかは味と値段とボリュームに驚くかもしれない
土日祝にはここの前だけ渋滞が発生。

若い頃は川の上でビールやバーボンを飲むのが好きだった。今は妻子がいるので、上陸してから飲むようにしている。車で来ていれば帰宅するまで飲めないところだけれど、今回は電車移動なのでビールが飲める。川と酒は不可分。
サッポロクラシックは北海道限定(と表示してあるが他でも買えるらしい)で、しかも、米もコーンスターチも使われていない、「原材料:麦芽、ホップ」のビール。沖縄でオリオンビールを飲むように、北海道ではサッポロクラシックを飲みたい。
シングルモルト余市」もおすすめ。→
  

余市駅
電車だと札幌に帰るのには小樽での乗換えが必要。


札幌駅前まで行くバスがあることがわかった。
乗り換えの必要がなく、トイレつき、片道1000円、1時間半。
いつもだいたい空いていて、座れないということは聞いたことがない、と駅内のバス会社受付の人が言っていた。
「中央バス」、余市駅前十字街→札幌駅前ターミナル


今回はフネも僕と一緒に帰札したが、宅急便で送って身軽に帰る、という手もある。


以上が、札幌から余市川への秋の一人旅。
長くなったけれど、ひとりで川を下ってみたいという初心者には参考になるかと思い書いてみた。



つづく(http://d.hatena.ne.jp/kawauso999/20100716





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中央バス時刻表 →http://www.bustei.com/