豪華ディナーで食料危機討議=サミットは「偽善的」−英各紙

「gooニュース」
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-080708X287.html

【ロンドン8日時事】豪華ディナーを囲んで食料危機問題を討議−。8日付英各紙は、7日に始まった北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)を、こう皮肉った。

 各紙ともキャビア、ウニといった高級食材をふんだんに使った昼食・夕食会のメニューを大きく掲載。「多くの人が必要な食べ物さえ手に入らない中で、サミット首脳らは豪勢なコース料理を食べている。偽善的だ」とする英民間援助団体セーブ・ザ・チルドレンの批判コメントを紹介した。 


[時事通信社]


上の記事だけ読むと、日本の人びとは「豪勢」というところだけが問題なのだと思うかもしれないし、記事を書いた人もそう思ったかもしれない。
問題は、その料理や食材が高価であるという値段の部分だけではないのでは。


記事内にあるウニであれば海から摂ってくるので、昆布食害や磯焼けを考慮に入れなければそれほど問題ではないだろうけれど、当然に料理に使われているであろう、肉・卵・乳についてはまた別のことを考えることができる。


肉を生産するためには得られるよりもずっと多い植物を餌として消費しなければならないため、人間が植物を直接食べるのよりも生産性が悪い。

日本ベジタリアン協会には、
「タンパク質を得る効率から算定すれば、肉食は菜食20人分に相当します。」、
多国籍企業が広大な土地を買い占めて熱帯林を切り倒し肉牛の放牧地にしていることも熱帯林消滅の大きな原因の一つです。」、
「肉のない食事は肉中心の食事に比べ、化石燃料が3分の1ですみます。もちろん、二酸化炭素がだいぶ減ります。」
、とある。

肉を食べずにチーズやバターなど乳製品を消費する場合にも、牛の出すメタンガスによる温室効果について考えを巡らせれば、環境を主眼に置いた今回のサミットの食事についても、もう少し深く考える余地があったように思う。




多くの人が肉ではなく植物を直接食べれば、より多くの人に植物を分配することが(理屈では)可能になる。



日本には精進料理があるし、少し材料を工夫するだけで簡単に菜食になる日本料理もたくさんある。日本を誇りに思いたかったり、リーダーシップを発揮したいと思っているのならば、豪勢な食事がそれらを発揮する鍵ではない。



リンク
牛が環境への最大の脅威 FAO報告
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