ＪＩＣＡ 完全菜食主義
子供を連れて知人の家にちょっとだけお邪魔した。
僕が動物を食べないのは知っている人。
手作り煮物を薦めてくれた。野菜だけだから食べなさい、うちでは野菜ばっかり食べてるんだーと。
見ると明らかにハンペンと思われる物体が入っている。
ハンペンとは魚の死体を練ったものだ。
魚も肉もそのダシもラードも乳糖も食べないことを告げると驚いて、キャベツの浅漬けをだしてくれた。
念入りに材料を尋ねると、キャベツと生姜と塩を使ったと、その作り方まで順を追って教えてくれた。
それではと一口食べると、普段食べない味がした。
アミノ酸とカツオが混ざった味だとわかった。
確認すると、「あ、ダシにカツオは入れたよ」
その人は煙草を吸い始めていたので、早々と退散してきた。
１歳児に煙草の煙を吸わせて、菜食者に動物の死体液を食べさせるその行為は、もちろん悪意からではない。
ほとんどすべて、と形容しても過言ではないくらいに多くの日本人が、自覚なしに動物の死体を食べている。
毎日毎食、たくさんの動物を虐待し惨殺して得た死体を食べる。
動物虐殺の実態を知らない方はまず、「菜食のススメ」を読んできてください。
菜食のススメ⇒http://jazzmens.net/vegetarian/
菜食への理解が足りないのは善良な一般市民だけではなく、立派な行政法人もそうらしい。
・・・引用ここから・・・・
（完全菜食主義者の場合でも、温野菜、てんぷら、揚げ豆腐、ポテトフライ、昆布だしの野菜の煮物、サラダ油を使った野菜や豆のいためもの、野菜コロッケなどなら大丈夫です。）
・・・引用ここまで・・・
「青少年招へい事業 交流の手引き コーカサス諸国編」 企画・発行 独立行政法人 国際協力機構 国内事業部
無断転載を禁ずとあるので、引用に止めます。
上記の冊子では完全菜食主義者を「肉全般、魚、卵、チーズ、ミルクなど動物性タンパク質を食べない完全菜食主義者」と正しく説明している。
でも、その完全菜食主義者が食べられるものを正しく説明していない。
ホームステイの受け入れ家族はこの冊子を読んで海外からのゲストを受け入れるための知識とするので、いわば教科書のようなものだ。
この教科書に従った生徒は、ゲストに不快な思いをさせることになるだろう。
と、これで終わってしまうと、上記引用部のどこがおかしいのかわからない人が中にはいるかもしれないので、もうちょっと書きます。
- 「てんぷら」
完全菜食主義者が食べられるてんぷらなんて、日本のどこに行ったら食べることができるのでしょうか？ 誰か知っていたら教えてください。
てんぷらの衣には卵を使いますよね？ 普通は使うと思います。
特別に卵を使わないてんぷらを頼んだとしても、何故か具材に小エビが混ざっていたなんてことも容易に想像できます。
小エビが入っていなくても、他の具と同じ揚げ油を使っていれば、完全菜食者は食べません。（もし食べるなら、たぶん彼は完全菜食者ではない。）
さて、衣の卵も小エビも揚げ油もクリアできたとして、タレはどうでしょう。
ほとんどすべてのてんぷらのツユにはカツオのダシが混ざっていることでしょう。
「カツオだし」と呼ぶとおいしそうですが、完全菜食者にとってそれは、「魚の死体から滲んだ液」です。
しかしこれは簡単に解決できて、塩をかければいいだけ。
完全菜食主義者を家に招いた時は、http://d.hatena.ne.jp/kawauso999/20060419のようなてんぷらを揚げてください。うちではこれを精進揚げと呼んでいます。
- 「ポテトフライ」
市販品には、ショートニングやラードが混ざっているかもしれませんし、揚げ油もラードを使っていれば食べません。
例えばマクドナルドのマックフライポテトを調べると、牛肉を揚げ油の原料として使い、卵と乳を含む製品と同じ油で揚げていることがわかります。
http://www.mcdonalds.co.jp/quality/basic_information/allergy.php
マックはこのようにしっかりと表示してくれているけれど、例えば縁日の出店のお兄さんに、「このポテトの原材料と使用している油の種類を教えてください」なんて聞いてみても、「わかんない」と答えます。（これまでに何人かに聞いて実証済み。５人くらいに聞いた経験のなかでは１００％わからなかった）
よく調べて探せば、中には完全菜食者も食べられるポテトフライはあるかもしれない。
家でイモを切って植物油で揚げれば問題なしです。
油で揚げなくてもhttp://ameagarinosora.blog71.fc2.com/blog-entry-27.html、http://d.hatena.ne.jp/kawauso999/20060803のように簡単に作れます。
- 「野菜コロッケ」
野菜コロッケを完全菜食者が食べられるものとしてあげた人は、コロッケをつくったことがないんだろうな。
コロッケといえばパン粉。多くのパン粉にはショートニングやら何やらが混ざっていて、そのショートニングは大豆由来など植物性も多いけれどそうでないものもあるようなので、確認できていないものは注意が必要。
http://d.hatena.ne.jp/kawauso999/20051117ならたぶん完全菜食者対応。
さて、パン粉はクリアできても、やはり多くのコロッケには動物がしっかりと使われているようです。
昨日スーパーで物色した冷凍食品の野菜コロッケにも牛肉が表記されていた。
試しにあちこちの肉入り「野菜コロッケ」レシピを覘いてきて下さい。
http://www.oze.or.jp/~kankou/nmr/fuku18/index.html
http://recipe.suntory.co.jp/10200/000388.html
http://blog.goo.ne.jp/suzuki-31/e/1e269477e09cec36ecf5f92d36259262
肉は入っていなくてもhttp://www.rakuten.co.jp/croquette/576853/583124/#543037のように牛乳、マーガリン、バターが混ざっていれば、完全菜食主義者はこれを食べません。
自宅でhttp://d.hatena.ne.jp/kawauso999/20051203やhttp://d.hatena.ne.jp/kawauso999/20061224のようにつくったものなら、完全菜食主義者もこれを食べるでしょう。
普通の日本人が菜食について知らなくても、現状ではそれが当たり前。
その知らない人に教えるべき立場の機関がこのような冊子を発行していることには少し驚いた。
